一、なぜそうなる

拝啓　　義母さま


あまりに大量すぎる食材を旦那に持たせようとして、
「こんなにいらないよ」と、いくつか返されたとき、

「あんたの奥さんは料理しないのかい！」

そう大騒ぎしたそうですね。


またあるときは、ご近所さんと孫の話をしていて

「しばらく会ってないから、かわいいもなにも、顔忘れた」

と、あなたの息子がそばにいることに気づかず、吐き捨てたそうですね。

二週間足らず会わないだけで顔を忘れるというのは、
痴呆、というのですよ。


あなたの脳内だけで、1のものを10に拡大して
楽しむぶんにはかまいません。

いったん、あなたの口から出た針小棒大な言葉たち。

悪し様に言われた側の驚き、憤り、呆れは、
消えないことを、ご留意ください。

一、張り込み・尾行は不気味

拝啓　　義母さま


いつもこのくらいの時間に、散歩や買い物をする、と聞いて
孫にばったり会えたらなぁ、と
ささやかな期待をする分には罪はありません。

ただし、それが、目的を達成するまであきらめないとなると、
ちょっと話はかわってきます。


息子夫婦の住むマンションを見渡せる、広い道路に立ち、
延々と出てくるのを待ち伏せしている、謎の老女。

嫁と孫らしき後姿を発見して、
延々と1.5キロも後をついて歩く、家着のままの老女。

ターゲットにされている側としては、
なかなかに恐ろしいものなのですよ？


あなたと孫を隔離しているわけでは、まったくないのに、
なぜそこまで孫に執着するのでしょうか。

一日3回くらい孫に会わないと、
なにかの発作でもおきるのでしょうか。


ひとはそれを、ストーカーと呼びます。
通報される前に、最低限の良識を、今一度、思い出してください。

一、しでかした過去は消えない

拝啓　　義母さま


お正月に、初詣のおみやげ、ありがとうございました。


旦那に、交通安全のお守り。

孫に、健康のお守り。

おわり。


なんとなく「ふうん」と思ってしまうのは、
人として仕方のないことではありませんか？


そういえば、以前に「布団を買ってあげる」と言って、
健康寝具一式が届けられましたね。

なぜ布団？　という疑問と同時に

なぜ一組？

と思ったことを、今でも鮮明に覚えています。
さすがに、あなたのかわいい息子も困っていましたよ。


お守りも布団も、ほしいわけではないのです。
ただ、その配慮に欠ける積み重ねのひとつひとつが、
あなたの人物像になっていくと、ご自覚ください。